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バルトリンのう腫(のう胞)

膣入り口の外陰部、やや下側に、バルトリン腺という粘液を出す小さな袋につながった穴がもともと皮膚の奥にあります。左右にひとつずつです。普段はさわってもわかりません。
この袋は小さな目に見えない穴がもともとあいていて、必要なとき(セックスを円滑に行うため)に粘液をその穴からだすのですが、この穴が(正しくは腺の開口部といいますが)何かの原因で穴が閉鎖してしまうと粘液が外にでれなくなり、バルトリン腺のう胞を作って外陰部がはれてきます。
腫れ方は中の粘液の量に比例します。
ゴルフボールくらいになると違和感や痛みを感じ、かなりひどい方ですとテニスボールくらいになります。(よくここまで辛抱されたと感心することもあります)
また菌などの(多くは雑菌ですが、まれに淋菌などの感染が原因であることもあります)感染がおこると、膿のたまりができて膿瘍となり非常に痛みます。これをバルトリン腺膿瘍といいます
治療法は、まず、中にたまった粘液や膿を出してやること、それから感染予防をすることです。
膿をだしてやる方法は主に2つあり、ひとつはとにかく緊急の処置として、注射に使うような細い針で、中身を吸い出してやること、次に、ピアスホールを作る要領で、人工的に新しい穴を作ってあげることです。
ただし、穴といっても人間の体ですので、小さい針穴ではすぐにつまってしまいがちです。
局所麻酔で、皮膚を1,2センチ切開し、簡単に穴が閉じないようにまわりを溶ける糸でかがり縫いしてあげます。これは外来で可能な手術です。
もちろん自然に傷口はふさがろうとしますが、ピアスホールの要領でこの穴に細い、消毒液を浸したガーゼをいれてあげ、ホールを作ります、このホールはうまくいけば2週間から1ヶ月くらいで完成します。そのころにはもちろん、目にみえない程度の大きさになっています。
ただし、体質などによって何度も繰り返すことも多く、中の袋を摘出しないといけない場合もあります。(この方法は本格的な麻酔を必要とすることも多く、入院が必要になることが多いのです。)

感染などをおこすと膿がたまるので
非常に痛む

開口部がつまった状態
(粘液が作られるのにでれない)

ちゃんと粘液がでている